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くるみボタンってどうやって作るんだろう?加工の裏側をリポートします!

ApparelX News 編集部のマミーです。

ブラウスやコートなどの洋服はもちろん、ヘアゴムなどのアクセサリーにも使われるくるみボタン。

くるみボタンとはその名の通り、土台の金属のボタンを布でくるんだボタンのことです。
手芸好きな人なら自分のお気に入りの布などでくるみボタンを作った事がある人もいると思います。
既成品として売っていない、布で包まれたオリジナルのくるみボタンはなんだか温かみがありますし、同じ生地に合わせて付ける時もとっても馴染みますよね。

普段、アパレル資材の手配をする中でお客様から数百個単位でくるみボタンの注文を頂くこともあります。
大量の場合はくるみボタンの加工屋さんにお願いをしますが、打具があって少量の場合などは社内で加工することもあります。
今回はそんな加工の現場をリポートして行きたいと思います!

 

くるみボタンを作るのに使う道具とは?

まずは使用する道具をご紹介して行きます。

くるみボタンの土台に中になるのは金属のボタンです。薄くて軽く、ボタンの表面と足が付いてる部分が2つに分かれています。

 

次に打具です。ボタンも2つのパーツに分かれているので打ち具も大きく2つに分かれています。
真を見ていただくと分かるようにそれぞれのパーツもさらに2つに分かれるようになっています。

ボタンの表面パーツをはめる方(合体すると右のように1つになります)

 

ボタンの足パーツをはめる方(こちらも合体して使います)

今回使用する生地はこちらです。濃い黒の生地が表に出る生地で、グレーの生地はスレキで、中に一緒に挟んで使います。

くるみボタンはこの生地の厚みがなかなか重要となります。薄すぎると土台の金属が透けて見えてしまったり、ボタンの形が綺麗な丸にならなかったりします。逆に生地が厚すぎると打った後にボタンの足がすぐに取れてしまう恐れがあります。
なので表地と一緒にスレキを一緒に挟み込んだり、接着芯を張って、厚さを調節することが美しいくるみボタンを作るポイントになります。

 

実際に作っていきます!

 

今回は社内にいる内職さんのくるみボタンのプロに作って頂きました。

まず打具の表面のパーツをはめる方に生地とボタンを乗せます。上から棒などで打ち具の筒の中に押し込みます。
(写真はマッキーを使っていますがこのマッキーの太さが絶妙で使いやすいようです。ベテランって感じがしますね!)

 

 

もう一方の打具にボタン足のパーツをセットします。セット出来たら先程の打ち具の筒に入れてハンマーで叩きます!

 

 

いかがでしょうか?華麗なる手さばきであっという間にくるみボタンが完成しました。
私も試しに作らせてもらいましたが、この金属の打ち具がしっかりした重みがあって安定して打つことが出来ました。

 

実際のくるみボタンの工場ではハンドプレスマシンを使って大量に作って行きます。原理は今回ご紹介したやり方と同じで、全て機械が自動でやるという形ではなく、生地をセットして1個づつプレスしていくという実は人の手を介したやり方で作られているんですね。

 

まとめ

くるみボタンを生地から注文する際は生地の種類によって出来るもの、出来ないものがあるので量産分を作る前に必ず事前にサンプルを作ることをおすすめします。
薄い生地などは接着芯を貼った際に糊が表に出てきてしまったり、ニット生地なども伸びやすいので裏に芯を張りますが上手く包めない場合もあるので試してみないと分からないこともあります。
またくるみ生地の表がどちらかを明記したり、柄に合わせて欲しい場合は具体的な指示をするとイメージに合ったボタンに仕上がるかと思います。

 

普段身近にある商品の製造過程などを見たり知ったりするのはなかなか面白いですよね。
今後も商品や加工の裏側をご紹介して行きたいと思います。

 

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