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自然から生まれるボタン~ナット・本革・カゼインボタン~

今回は天然の素材のボタンについていくつかご紹介して行きたいと思います。

 

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ナットボタン

ナットボタンとは水牛ボタンに次ぐ、高級の天然素材のボタンとされております。
そんなナットボタンの材料は「タグアヤシ」という南米エクアドル産の熱帯植物の木の実です。
外側は茶色、中側は乳白色で内側の乳白色の部分を輪切りにしてボタンの形をくり抜いていきます。
この乳白色の色から「アイボリーナット」とも呼ばれています。

現在のヨーロッパのテーラーメイドや高級既製服に使用される代表的なスーツには水牛ボタンかナットボタンが付けられています。
(水牛ボタンについては以前、一期一会のボタン~水牛ボタン~にて記事をアップしているのでそちらも併せてご覧下さい!)

 

もともとは乳白色なので、その他の色は染色をしています。染色をすることで様々な色の再現が可能で、光沢感の中にも温かみを感じます。

染めることでナット特有の木目柄が出てきて深みが出ます。またナットボタンは長年使っていると色がだんだんと濃くなって行きます。
これはナットボタンならではの特徴といえます。(もともと濃い色は変化しません)

 

 

本革ボタン

牛や馬や山羊の表皮を使用して作り上げられたボタンです。
原料となる皮はアメリカ、オーストラリアからの輸入です。
皮はクロムなめしとタンニンなめしの二種類に大きく分ける事ができますが、ボタンに使用させる材料は主にタンニンなめしで作られます。
(ちなみにタンニンとは渋のこと。渋柿などの渋ですね。

タンニンには動物の皮の繊維を収縮させる効果があります。
このためタンニンなめしされた革は丈夫でハリ、コシがある革になります。
またタンニンは酸化や紫外線によって色が変化し、使い込むほどに革の色が濃くなっていき、深みがでて行きます。

革をボタンにする方法としては、テープ状にカットしたものを職人が一つ一つ丁寧に編み上げ、型押しして成型したり、厚い一枚皮を型押しして成型する製法などがあります。

 

~番外編~

カゼインボタン

(写真:アイリスで売上NO.1のLH41)

カゼインボタンは牛乳を原料にした半合成素材のボタンです。

カゼインとは人や牛、羊などの乳に含まれるタンパク質のことをいいます。

1920年代後半、ドイツで機械による加工の自動化が開発され、世界中にカゼインボタンは広まりました。

1930年頃から日本でも生産され始め、商標名の「ラクトボタン」という名でご存知の方も多いかもしれません。

製造方法としては原料である粉状のカゼインに光沢や色柄を出す為に白顔料・パール箔・水などを混ぜて熟成させます。

その後、熱と圧力で材料を練り合わせたら、棒状や板状にして長時間乾燥させて表面加工の準備をします。

“熟成””乾燥”などの行程を経て作り出されるカゼインボタンは多くの時間と手間と職人の愛情が必要なボタンだと言えます。

強度や耐薬品性などに優れ、染色性も良いのが特徴です。

 

 

天然の素材から生まれるボタンは1点ものだったり、独特の質感や時間が経つにつれて変化する美しさがありますね。

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