貝ボタンといえば、シャツやブラウスなどに使われる17型をはじめ、高級な天然ボタンとして知られるボタンです。
ポリエステルに比べ、天然素材ゆえに価格が高い面はありますが、独特な輝きは唯一無二です。
貝ボタン産業は明治20年頃ドイツ人の技術指導により兵庫県神戸市に初めて伝わり、その後明治30年頃には大阪の河内地方へ。
奈良県に本格的に伝わったのは明治38年頃とされています。
奈良県では江戸時代から農家で綿加工業が盛んでしたが、この頃は木綿織物や養蚕業といった産業が衰退の一途を辿っていたため、
農閑期の副業として貝ボタン製造が家内工業的に取り入れられるようになりました。
神戸・大阪の経済交流と大阪・奈良間の舟運で結ぶ物流によって情報交換が行われてきたことが予想されます。
これらを背景として明治39年に始まった川西町の貝ボタン産業は、大正初期にかけて徐々に成長し現在では川西町が貝ボタン製造の全国トップシェアを誇っています。
貝ボタンの種類は主に高瀬、黒蝶、茶蝶、白蝶があります。
・高瀬は高瀬貝という巻貝を原料にしています。虹色の光沢が特徴です。
ボタンの裏には赤や緑の柄が入っています。これは貝の外側の柄がボタンの裏の柄になっている為です。
また、高瀬貝は沖縄では食用にもなっているので捕獲量も多く取れるため安価になっています。
・黒蝶は黒蝶貝という二枚貝が原料になっています。
真珠を作る母貝としても使われており、ブラックマザーオブパールとも呼ばれています。
真っ黒ではなくパール調の光沢があるのが特徴です。
しっかりとした黒さを持つ物ほど値段が高く、色の薄い物は染色されるので値段は安くなります。
・茶蝶は茶蝶貝という二枚貝が原料になっています。
こちらも真珠を作る母貝としても使われており、ブラウンマザーオブパールとも呼ばれています。
黒蝶に比べ、色彩的に温かみがあり虹色に輝く光沢が特徴です。
・白蝶は白蝶貝という二枚貝を原料にしており、ボタンの原料となる貝のなかでは最高級と言われています。
こちらも真珠を作る母貝としても使われ、ホワイトマザーオブパールと呼ばれています。ボタンの光沢も真珠のような光沢が特徴です。
単価は高瀬貝に比べると約3倍ととっても高価です。
貝ボタンは主にスーツのジャケットやワイシャツ、ブラウスなどに使われています。
ワイシャツなどには小さめのサイズの10mmや11.5mmが多く使われています。
定番は17型と言うもので、ふち有りの4つ穴の貝ボタンでスタンダードな形です。(写真1704)
色の展開もとても多くこちらはなんと12色展開です。
また 貝ボタンには通常の薄さのボタンから、非常に厚いボタンまであります。
分厚いという事はとても贅沢なボタンということでもあり、シャツのボタンとして使用するとユニークなのではないでしょうか。
ただし、貝ボタンは熱に強い反面耐久性が弱く、衝撃などを受けると割れが生じ、中には通常着用時に割れてしまうこともあるようなので
取り扱いには十分注意しなくてはいけません。
ですが、ひとつひとつ貝をくりぬいて作る貝ボタンは、2つと同じものがないので、表情におもしろみがあり大変オススメです。
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