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シルク生地の魅力~染色性、風合い、肌触り~

ApparelX News編集部のマミーです。

シルクの生地というと「裏地の繊維の違いによるメリット・デメリットって?」にも書いてあるとおり、天然素材の中でも光沢としなやかさ、手触りのよさや保温性が高い事が特徴です。
あらゆる繊維の中で最も染色性に優れた繊維の一つで、また高級素材の一つといえるでしょう。ApparelXメインサプライヤーのオークラ商事では豊富な色数

今回はそんなシルクの生地の魅力と注意するべき点について書きたいと思います。

 

そもそもシルク100%の生地ってどうやって出来るの?

シルクは蚕,つまり蚕蛾の幼虫によって生み出されます。蚕には幾百種類もの品種がありますが,最も良質のシルクを作り出すものは家蚕と呼ばれています。
成熟した蚕の体は半透明になり,いよいよシルクを吐き始めます。

蚕は糸を吐き始めると,休むことなく繭作りを行います。頭を振りながら,1分間に30㌢~40㌢の速度で糸を吐き出します。
繭が完成するまでに,なんと合計15万回も頭を振るという資料もあるようです。
蚕は2昼夜かけて最高1,500㍍もの糸を紡ぎ出します。これは東京タワーの高さの4倍以上に相当します。
休むことなく頭を振り続け、繭作りをする蚕は本当に働き者ですね・・・!

1枚の着物には約9,000個,1本のネクタイには約140個,また1枚のスカーフには100個を超える繭が必要です。
この必要な数を知ると改めてシルクは貴重ですし、大切に使わなきゃな・・・という気持ちになりますね。

繭に包まれた蚕は蒸気の熱で乾燥させ、お湯で煮ることで繭をほどけやすくします。
その後、2つ以上の繭の糸口を合わせてまとめて行き、1本の糸にします。
この生糸を大きな枠に巻き取っていき、その後生地に織り上げて行きます。
この時に糸に撚りをかける、かけないで生地の肌触りや特徴にも大きく影響が出てきます。(詳しくは生地の種類に記載します)

 

シルクの染色について

シルクは繊維の構造上染料が繊維の奥深くまで入り込む為色がよく定着し、深みのある色合いが出ます。
またシルクは,先に糸を染めてから織機で生地を織ることも(先染め),先に生地を織りあげてから後で染めること(後染め)もできます。
シルク独特の上品な色合いは他の素材には出せない色味と言えます。

 

シルクの生地の種類

本絹羽二重

本絹羽二重本絹羽二重

SLK120 本絹羽二重

三原組織の平織りの一種で通常経糸と緯糸を同じ太さの糸を1本で織るのに対し、羽二重は経糸を2本で織るので通常の平織りよりも柔らかく軽く光沢のある生地に仕上がります。
絹を用いた場合は「光絹(こうきぬ)」とも呼ばれます。

シルク独特のしっとりとした手触りはずっと頬ずりをしていたくなるほどですね。

 

シルクデシン・シフォン

シルクデシンシルクデシン

SLK180 本絹デシン18匁

 

シルクシフォンシルクシフォン

SLG600 シルクシフォン6匁
SLG1000 シルクシフォン10匁

デシンとは略語でフランス語のクレープデシンが語源です。その言葉の意味は「中国のクレープ」で中国産の縮緬(ちりめん)を真似てフランスで作られたものです。
より薄く織られたものは「ジョーゼット」、更に薄く透け感のあるように織られたものが「シフォン」と呼ばれています。

経糸(タテイト)に無撚糸か弱い撚をかけた糸を使い、緯糸(ヨコイト)に 強い撚をかけた糸で、平織に織った織物です。
経糸と緯糸の撚りの強さが違うことによって繊細なシボ(凹凸)が生まれます。

 

 

本絹クレープ

本絹クレープ本絹クレープ

SLK200 本絹クレープ20匁

クレープもデシンなどと同様に表面に細かい凹凸のある生地のことを指します。

 

 

サテン

シルクサテンシルクサテン

SLK160 本絹サテン16匁

シルクのサテンは光沢が光りすぎず上品、なおかつ手触りのしなやかさやドレープ性はピカイチです。
コートやジャケットの裏地としてでなく、シャツやワンピースなどにしても美しく仕上がります。

 

シルクの在庫について

染色でも触れましたが、シルクは染色・発色性の良さから細かな色味を出すことが出来、カラー展開も豊富です。
アパレル資材サイトApparelxではシルク100%生地を豊富に取り扱っていますが特にシルクサテンは全93色展開とグラデーションのように色展開があります。
どの色にしようか迷ってしまう程ですね!

SLK120

 

シルクのお手入れってどうすればいい?

シルクはデリケートな素材故に虫食いやカビの侵食にあいやすかったり、日光にも弱く変色してしまう場合もあります。
悩ましいのがそのお手入れ方法ですよね。
基本的には製品の洗濯表示を確認して手洗いマークが付いていればご自宅でもお洗濯が可能です。
逆にバツが付いている場合は手洗いを避け、ドライクリーニングなどにしましょう。

自宅でお洗濯の場合、シルクは摩擦に弱いので30℃以下のぬるま湯で手洗いでこすり洗いせずに、洗剤を溶かしたぬるま湯に浸してきれいな水ですすぐという作業を繰り返して洗いましょう。

脱水は短い時間で細切れに行い、生地にかかる負担を最小限にします。
シルクは日光に弱いので干す際も陰干しで行います。

 

 

~シルクの豆知識~

匁(モンメ)とは

シルクなどの厚みを表す時に使われる匁。普段あまり聞き慣れない匁(モンメ)という言葉にはどんな意味があるのでしょうか?

東南アジアで古くから使われる重さの単位で1匁=3.75gとされています。
シルクで匁を用いる場合は約93cm四方の生地の重さを表します。
数が大きくなればなるほど目が詰まっている・あるいは厚い逆に数が小さい程目が粗くあるいは薄いと言えます。

例:
12匁のシルク生地(93cm四方)の重さ=3.75×12=45(g)

 

シルクはお肌に優しい!

蚕(カイコ)から生まれる繭糸は、中央部の「フィブロイン」(約70~80%)と、その外側を包み込む「セリシン」(約20~30%)の2種類のタンパク質で構成されています。
このタンパク質は約20種のアミノ酸が数百~数千も結合して出来ており、お肌に近い成分の為、肌にやさしいと言われています。
肌が弱い人はもちろん、吸湿性や保温性にも優れていて、冷え対策にも効果的です。

 

シルクは一度手にしたら手放せなくなるほどの極上の素材です。スカーフやハンカチ・シャツやワンピースなどはもちろん、裏地など見えない部分に使ってあると高級なお洋服だなあと思います。

ぜひシルクが気になったかたはApparelXよりご覧下さい!

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