前回のAparelX Newsでは繊維の三原組織、前々回は裏地の素材の違いについて 触れてきました。
まだそれぞれの記事をご覧になっていない方はぜひご一読下さい!
普段あまり気にすることがないかもしれませんが、洋服には欠かすことの出来ない裏地。
今回はそんな裏地の意外に知らない豆知識についてご紹介して行きたいと思います。
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生地を巻き芯に巻いたり、畳んだりする場合は生地にキズがつかないように表面を内側になるようにします。
これを中表といいます。
生地を縫う際にも「中表に合わせて」という言葉が使われますが、それと同意ですね。
通常棒巻やたたみの場合は、中表で手配されることが一般的です。
では裏地の表裏を見分けるにはどのようなポイントがあるのでしょうか?
まずどの裏地にも共通しているのは裏地の両耳に空いている2列の穴がぽこっと上に出ている方が表です。
これは仕上げセットの時に表を上にして機械をかけるためです。
写真だと分かりにくいかもしれませんが、その部分を指でなぞると、裏は穴が出っ張っておらず、フラットになっています。
平織り(タフタ):前述のとおり、生地の両耳の穴が上に凸が表です。
その他タフタ裏地はこちらから
綾織(ツイル):布のうねが右上から左下に向かっている方が表です。写真のようにカタカナの「ノ」の地に見える方です。
その他ツイル裏地はこちらから
朱子織(サテン):光沢がある方が表。これは表裏の違いが顕著なので分かりやすいですね。
その他サテン裏地はこちらから
(写真は品番2777シルポップです。)
2Way(タテ、ヨコ)方向へストレッチ性のあるニット裏地。表地が伸びるニット地の裏などにおすすめです。
ポリエステルのストレッチ裏地などはヨコ方向には伸びますが、タテには伸びないので注意が必要です。
※1トリコットとは
たて編みの代表的な編み方でトリコット編み機で作られるもの。
軽くて薄く、やわらかい。風合いが優しいので直接肌に触れても柔らかいという特性があります。
(たて編みとはたて方向にループを作って編むこと。
よこ編みのニットと織物の中間のような風合いと伸縮性を持ち、ソフトで薄手の編地になる織物に近い張りやコシのある編地が出来ます。)
ちなみにトリコット(tricot)とはフランス語で「編む」という意味です。
トリコット裏地はこちらから
「透け防」とも呼ばれ、フルダル糸を使用して透けにくくしている裏地。生地の薄い夏物衣料や淡い色の生地に使用されます。
フルダルとは英語で「FULL DULL」と書き、鈍い、くすんだと言う意味です。
化学繊維はガラスのように半透明であることから糸自体に艶があり、その糸のことを「ブライト」といいますが、
その艶を消したものを「ダル 」と言います。
薄い色の生地は光を通しやすく、内部で光が反射して外へ透過する現象がおきます。
それが透けの原因となりますが特に内部に色の濃いものを着用するとより透けが強調されてしまいます。
ですので透けを防止するために、衣服の内部に光を透過させなくすればいいのです。
フルダル糸のような艶消しした糸を使用することによって、外部からの光の透過を低くして衣服の中に通さないことで下着などを透けにくくしているんですね。
透け防止裏地はこちらから
ひとえに裏地と言ってもそれぞれ特性を持っていて、奥深いなあと感じます。
アパレル資材BtoBサイトApparelXでは様々な繊維の裏地を取り扱っています。
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