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洋服はもちろん洋服以外にもファスナーが使われています。これぞYKKの商品開発力!!

ファスナーといえばYKKファスナー、日本では約95%、世界でも約45%のシェアを誇っています。
アパレル業界で知らない人はいないというほど有名なYKKファスナーの製品は私達の身近な洋服や、バッグなど数多く使用されています。
しかし、一般的なファスナーだけでなく、かなり特殊なファスナーや機能を持ったものがあります。

まずは洋服やバッグ等で使用されるユニークなファスナーにはどんな種類があるのでしょうか?

 

LUMIFINE®(ルミファイン)

YKK蓄光ファスナーYKK蓄光ファスナー 2

LUMIFINEはエレメントに蓄光素材を使用し、昼間に蓄えた光を夜間や暗闇で放出し、光るファスナーです。
ちなみに蓄光とは物質が太陽などの紫外線を吸収し、エネルギーとして蓄え、暗いところで自然発光する現象のことです。
カラー展開も通常のホワイト色の他、ピンクやブルー、イエローなどポップなネオンカラーが豊富です。

 

 

ビスロン®コンビネーションファスナー

YKKコンビネーションファスナー

ファスナーのテープとエレメントを別色にしたカラフルなファスナーです。

上の写真のようにテープをバイカラーにしたり、エレメントの色も変えたりと組み合わせは無限大です。
テープとエレメントを変えるだけでガラッと印象は変わりますし、ポップなカラーの組み合わせで子供向けのバッグやリュックなどの製品にも使用されています。

 

 

レールファスナー JOYLON(ジョイロン)

システム手帳やクリアケースなどの文房具や洗顔ケースなどに付いている横にスライドさせるファスナー。
あれも実はYKKのジョイロンという商品なんですね。
エレメントなどもないので一見ファスナーっぽくは無いですが、開閉の役割を担っているこのジョイロンも立派なファスナーと言えます。

 

 

難燃・耐熱仕様ファスナー

 

ファスナーのテープ部分にステンレス製の糸が用いられている為、なんと1000℃以上の熱に耐えることができ、溶けたり燃えたりすることがありません。
消防服やドライバーを熱から守るレーシングスーツや耐火スクリーンなどに使用されています。

耐火スクリーンとは火事の際に火や煙がエスカレーターを伝って上の階に上がらないように耐火性のあるクロスを用いたシャッターのことです。
このスクリーンの角に難燃ファスナーを用いることでエスカレーター周りの柱をなくすことが出来、すっきりとした空間を実現することが出来ます。

 

画像はYKKホームページより引用

 

 

その他、衣料だけでなく、様々な分野で用いられている驚きのファスナーをご紹介して行きます。

 

漁網用ファスナー

漁網と聞いてファスナーを思い浮かべる人はなかなかいないでしょう。
かつてひき網の先端部は「ちょんまげ」と呼ばれ、ひもで結ばれていました。捕獲した魚を紐をほどいて出すわけですが、なにせ巨大な漁網です。
結び直すのはなかなか大変で時間も要していました。
そこで網の先端部にYKKのファスナーを取り付けることで、開閉を簡単にすることで水揚げ作業の効率が飛躍的にアップしたのです。

 

漁網用ファスナーはどんなものかというと“ビスロン“ファスナーを使用しています。
ビスロンファスナーは樹脂なので、海水に長期間つかっても錆びる心配がなく、スライダーにはステンレス製を使用しており、軽量になっています。

従来10V、15Vという二種類のサイズがありましたが、近年30Vという巨大な漁網ファスナーも登場しました。

上の写真が30Vのファスナーです。

写真1を見て分かるように、洋服などに使われるものは3Vや5Vが一般的なので、30Vはかなり巨大なファスナーということが分かります。

(写真2の黄色のファスナーが5Vです。)

 

 

 

水密・気密ファスナー PROSEAL(プロシール)

開閉の役目だけでなく、機能性を高めたファスナーがプロシールです。
YKKの水密・気密ファスナーはダイバースーツ・化学防護服や航空機のエンジンカバーなどに使われている他、巨大な建造物の建築の現場にも用いられています。

 

本州と淡路島を結ぶ全長3911mの吊橋「明石海峡大橋」でも、このファスナーが使われているんです。
いったい橋のどの部分にファスナーが使われているのでしょうか?

YKKファスナー プロシール

画像はYKKホームページより引用

 

実は明石海峡大橋には伸び縮み自在なゴムの排水口が取り付けられており、この排水口に水も空気も通さないプロシールファスナーを取り付けることで、必要な時だけファスナーを開けて中のゴミを取り除くことができます。

 

 

画像はYKKホームページより引用

宇宙服にも胸から背中にかけてこのプロシールが使用されています。なぜ宇宙服にも気密性の高いファスナーが必要なのでしょうか。

宇宙空間では気圧が大きく下がり、人間は生きることができません。宇宙シャトルの中では与圧(圧力を与え、気圧を一定に保つ)を行うことで調整されています。
しかし宇宙飛行士はいざと言う時の身を守る為に緊急避難用に打ち上げ時と帰還時には必ず与圧服(地上の気圧に近い状態にする船内服)を着用しています。
宇宙飛行士が着ているオレンジのスーツが与圧服です。

 

まとめ

ファスナーと一口に言ってもその種類や機能性の幅広さは計り知れません。

大きな橋や宇宙服など普段の身近な生活に比べるとスケールの大きいものにファスナーが使われていることには驚きでした。

洋服やバッグなどの用途にとどまらず、使う人を考えた利便性の追求や、新たな分野を開拓し続けるのはさすがファスナーのパイオニア、YKKだと言えるでしょう。

 

 

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