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ファスナー手配の裏側~加工の現場・詰めるって何?~

YZIP

一言にファスナーと言っても、メーカーもYKK、LAMPO、riri、IDEAL、TALONなどなど多くあり、またメーカーの中で金属、ビスロン、コイル、機能性ファスナーなど様々な種類があります。
今回は国内シェアNO.1のYKKファスナーがどのように手元に届くかを解説します。

 

注文してから届くまでの流れ(工場生産の場合)

 

YKKのファスナーは種類、規格(サイズ)、テープカラー、エレメントカラー、スライダーなど種類が豊富で、全てを在庫することは実質不可能なので、通常、注文すると、工場生産扱いになります。
※納期が急ぎの場合は下の方にまとめてあります。

注文すると、販売代理店*1からYKKの生産システムにアクセスし、生産ラインの予約をして納期出しを行います。
その後、納期が合えば、生産に入り、納期にYKKの工場より出荷され、販売代理店に入荷します。そこからお客様のもとに出荷されます。

通常、工場生産の納期は種類・本数によって異なりますが、2週間~4週間程度です。

しかしながら、2018年4月頃のビスロン逆開ファスナーは3~6ヶ月程度の納期が出るなど、混雑すると納期が伸びる場合があるので、その都度確認をする必要があります。

工場生産の場合2~4週間程度納期がかかりますが、在庫をしているファスナーもあります。

まずはファスナーの主な在庫商品をみてみましょう。

*1販売代理店・・・YKKには直接の注文はできず、必ず間に販売代理店が入って、生産管理をしています。

ファスナーの主な在庫商品

スタンダードメタルファスナー
YZIP
エクセラファスナー
コイルファスナー
コンシール
エフロン
FLATKNIT
ビスロンファスナー

この種類のファスナーは多くのYKKの販売代理店で在庫している事が多いです。
しかし在庫しているテープカラーも全てではなく、よく出る色は多く在庫していますが、他の色は数本~数十本程度または、全く無い場合もあります。

上記以外の種類のファスナーも稀に在庫している場合もありますが、テープカラーがかなり限定されています。

コンシールファスナーなどは200色程度を重点的に在庫している場合が多いです。

 

在庫色とは

ファスナーを注文すると「在庫色外のため工場生産になります。」と言われることはないでしょうか。

在庫色は代理店によっても異なりますが、重点的に在庫をしている色になります。
c/#580黒やc/#169ネイビー、c・#030オフ白などは2000本程度は常に在庫しています。

この在庫色ではないテープカラーで注文すると在庫していないので、工場生産するしか手段はないわけです。

そうなると、納期が近く急いでいるのに、2~4週間なんて待てない!という場合が出てきます。
そういった時はどうすればいいのでしょうか。

 

急ぎでファスナーが欲しい場合

急ぎでほしい場合というのは、サンプルの作成や、展示会前、工場で1本紛失したなど、様々なケースが考えられます。
それではどうすれば良いのかいうと、「似寄りカラーを教えて」「詰め加工OK」と一言メモを入れて注文してみてください。

似寄りカラーとは、在庫色外での注文の場合は基本的には工場生産になるのですが、似てる色でも問題ないという場合は似寄りカラーOKと一言伝えてください。
例えばC/#334は在庫色外なので、C/#235はどうですか?といった具合です。

 ⇒
写真:左C/#334、右C/#235

 

詰め加工というのは、在庫している長めのファスナーを詰めて加工して注文されたサイズにすることです。

金属ファスナーなどは在庫している色のすべての規格(長さ)を在庫することは難しいので、長めオープンエンドを在庫していることが多いです。おもに80CMや100CMが多いです。

なぜオープンエンドかというと、オープンは詰めることで、止めにも加工可能ですし、もちろんオープンエンドのままで短く加工することが可能だからです。
逆に止めのファスナーからはオープンエンドのファスナーは箱の部分を後付できないため、加工できないということになります。

長めのファスナーを加工するということは、加工賃と捨てざるを得ない部分がでるので、単価が上がるので、注意が必要です。
納期次第で工場生産か詰め加工・似寄りカラーになるかが変わるということです。

 

実際詰め加工がどのように行われているかを見てみてください。

実際のファスナーの加工現場

写真(左から):ファスナー詰めの道具、上止めと下止め

まず詰める長さを測り、エレメントの1つを抑え、それ以外を専用のペンチでテープから剥がします。そしてスライダーを差し込み、下止めをつけ、完成です。

 

まとめ

ファスナー手配の裏側を紹介しましたが、これだけではなく、他にもチェーン状に巻かれたファスナーで在庫している場合もあります。

オープンエンドのファスナーから止めファスナーに詰めると単価が上がりすぎ、もったいないので、代表的な色については無駄なく作ることが出来るチェーン状で在庫しています。

このようにファスナーの発注も、背景をわかった上で、発注することによって、余計なタイムロスや、無駄に高くなってしまうことを避けられるわけです。

発注方法に一言添えるだけで、早く手配ができるようになるので、是非ご活用ください。

 

 

 

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