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知られざる!?アパレルブランドの年間お仕事カレンダー

アパレルのショップでは夏物のセールも終盤、秋物を見かけることも多くなって来ました。
まだまだ季節としては夏ですが、8月からは夏物から秋物への商品への切り替えられて行きます。
この時期を端境期(はざかいき)と呼びます。

 

アパレルの小売の時期は4シーズンに分かれます。
今回は百貨店系婦人服ブランドを例に1年間の商品展開の流れを追って行きたいと思います。
1年の時期の分け方は大きく4つとなります。(ブランドや会社によって呼び方や時期異なる事もあります)

 

 

2月~4月スプリングシーズン

2月 ~春夏立ち上がり~

1月のセールが終わり、2月中旬には春物商品が店頭に並び始める。
しかし、気温的にはまだ寒く、一般的には春物の購入はまだ先。
ここでは比較的春物購入の時期が早い顧客などへの立ち上がりの周知などを図る。

 

3月 ~トレンチコート&ジャケット打ち出し~

3月は春物の実売期。3月初旬はトレンチコートへの注目が高まるため、コートフェアなどを行う。
その後、春に差し掛かる3月後半からはジャケット類を打ち出していく。
卒業式、入学式に向けた商品の展開、学生の春休みに入り、カジュアル商品の購買も活性化する。

 

4月 ~軽アウター打ち出し~

気候は春の陽気。ただし朝晩の気温差が激しいのでカーディガンなどの軽アウター需要が高まる。

 

5月~7月 サマーシーズン

5月 ~ブラウス打ち出し~

春から夏へ少しずつ空気が変わっていく5月は朝晩の冷え込みも少なくなり、長袖のブラウス1枚でも過ごせる日が多くなる。
ブランド側もブラウスや半袖シャツシャツといった薄手のカットソーを打ち出して行く。
5月はゴールデンウィークや季節の変化から購買意欲が高まって行く。

 

6月 ~秋冬展示会、プレセール~

8月に販売をスタートする秋冬物の展示会に12月に行う春夏展示会の準備、店頭ではプレセールとアパレルにとっては
年間トップクラスに忙しい時期となる。

 

*展示会について
展示会の準備は半年前から企画がスタートし、約1ヶ月半でデザイナーによりデザインと素材が決定される。
その後パタンナーに発注し、トワルチェック(立体化したデザインをトルソーに着せてシルエットなどの確認)を行い展示する服の生産に入る。

 

展示会後の流れ
サンプルチェック
(メーカーからサンプルが上がってくる。これを細かくチェックし、色や縫製など修正点をメーカーに伝える。)

修正サンプルチェック
(修正されたサンプルが到着する。実質的には店頭に並ぶ商品とほぼ変わらず、販売の約数ヶ月前に本生産に入る。)

撮影
(修正サンプルでルックブック用のビジュアルを撮影する。撮影スケジュールは1~2周間とかなりタイトなことが多い)

 

7月 ~夏のセール開催~

梅雨明けと共にリゾート消費の購買が増加。セールのスタートにより客層の幅が拡大する。

 

8~10月 オータムシーズン

8月 ~秋物立ち上がり~

7月のセールが終わり8月から秋の商品が立ち上がる。気温としてはまだまだ暑いため、晩夏物商品として着れる秋カラーが中心となる。
ショップによってはダウンジャケットの展開も始まる。

 

9月 ~軽アウター打ち出し~

9月前半はまだ暑く、場合によっては半袖で過ごすことも出来ますが後半からは少しづつ涼しくなってくる。
初秋物の購買意欲が高くなるため、これに合わせて薄手のジャケットなどをうち出す。

 

10月 ~ニット打ち出し~

10月からは季節が夏から秋に完全に切り替わる。この時期には本格的な秋服としてニットが打ち出されるのが一般的。
会社や学校などでも衣替えが行われる事が多い。

 

11月~12月 ウィンターシーズン

11月~ 冬コート打ち出し~

秋からいよいよ冬への移り変わりの時期である11月。雨の日や夜などは東京でも気温がぐっと下がる。
この時期に合わせて、冬物のコートを打ち出していく。

 

12月 ~春夏展示会、プレセール~

6月と同じく次年度の春夏展示会と次の秋冬展示会、冬のプレセールと忙しい。
6月とは異なりクリスマス需要や、年末年始の店舗営業日や初売りの準備など考慮することも多い月である。

 

1月 ~冬の初売り・セール開催~

百貨店系のブランドにとっては新年の初売り、冬のセールは最も人が集まる時期。
なお、三越伊勢丹が冬のセールの1周間前倒しを2018年に実施してから百貨店のセール時期はほぼ横並びになっている。

 

まとめ

アパレルの流れを1年間追って来ましたが、常にトレンドや季節感を先取りし、実シーズンの前倒ししてスケジュールが組まれているんですね。
ファッショントレンドの流れも早く、常にアンテナをはっておく必要がありますね。

 

(今回の記事はファッション週刊誌WWDジャパン2018年4月9日号を元に再編集をさせて頂きました。)

 

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