甲州織(山梨県富士吉田市を中心とする郡内エリアで織られる織物)の裏地の特徴は、、、
先染めですので、タテ糸とヨコ糸が織り成す美しい色合いを持つ裏地が出来上がります。後染め(プリント柄など)に比べて難度の高い織物になりますが、富士山の麓のこの歴史ある織物集積地では常に技術を向上させてきました。
プリント柄では味わえない立体感のある模様がジャカード織機 [wiki] にて紡がれます。低速織機ですのでたゆみのない美しい布地が織り上がります。
甲州産地でもコットンから作られるキュプラが主役になりつつあります。シルクとともに高級裏地の代名詞になりつつあるキュプラですが、キュプラ100%のほかにも丈夫さを増す為のポリエステル糸との交織もあります。
長い歴史で積み上げられた経験とノウハウ。そして品質に100%コミットする職人たち。廉価な織物はすべて中国など海外の工場へと移行しましたが、高品質スーツを構成する高級裏地ではものづくり大国日本の独壇場になります。
海外との競争に打ち勝つ為、甲州産地も様々な進化を遂げました。わずか1ロールから染色が可能な技術と設備、わずか50mから入れ替え可能なタテ糸など、幅広いニーズに応えるために小ロット生産可能な体制を産地をあげて作り上げています。
主な工程について次ページ以降ご紹介していきます。